特養からおおきなわ

福祉について発信します

神様のプレゼント 最終話

「鈴木さん朝ですよ~ 起きて下さいね~」

 声が聞こえ,車椅子に座らせられる。

 隣のベッドシーツが綺麗に光っているのが見える。

 騒がしく静かで、暗闇と蛍光灯の世界が流れていく。

  

 そしてまたいつもの日がやってきた。

 いつもと違い朝方のようだ。

 隣のベッドを見ると誰か眠っている。

 俺の知っているじいさんではない。

 部屋いっぱいに朝日が差し込んでくる。

 俺は幸せなのか。

  じいさんが言っていた言葉を思い出す。

 「鈴木さん、生きてりゃいいことあるよ」

 

 「鈴木さん、朝ですよ~ 起きてくださ~い」


 いつものように元気な声が聞こえてきた。

 

 終わり