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2025年はピークじゃない 減らない介護ニーズ

減らない介護ニーズ

 厚労省が推進する地域包括ケアの当面の目標は2025年だ。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、介護のニーズが爆発されるとされる。つまり2025年は終わりではなく始まりだ。

 75歳以上の人口は2025年までの間、急速に増え続け2180万人。その後、2060年までの35年間、減ることはなく、このレベルで推移する。75歳以上人口は2030年頃から伸びなくなるが、その後10年間は85歳以上人口が増える。つまり、介護のニーズはさらに増えることになる。

 介護のマンパワー不足は、ミクロレベルでも差し迫った問題だ。厚労省の試算では、現在、149万人いると推計される介護職員は、2025年には237万~249万人必要になるとしている。つまり、100万人以上を上積みしなければならなくなる。
 厚労省では、毎年年間7万人の確保が必要とする推計をしている。ただし、辞める人も大勢いるのがこの業界だ。厚労省離職率15%で計算しているが、その数は年間22万人にもなる。
 つまり新規の入職者を30万人以上確保し続けないと、年間7万人の確保は難しい。

 処遇改善、キャリアパスの形成、魅力ある職場づくりはもちろん大切だが、抜本的な対策にはなりそうもない。

 ひとつだけ言えるとすれば、持続可能な経営には「辞めさせない」のが一番ということだけだ。

 シルバー新報 平成26年4月11日 より抜粋