特養からおおきなわ

福祉について発信します

神様のプレゼント 5話

いつものように車椅子に座らされる。

 「お風呂に行きましょうね」と、

 優しい声が聞こえ、長い廊下の蛍光灯の明かりの下、車イスは進んでいく。


 「はい、洋服をとりましょうね~」
 服を脱がされる。

 寒さを感じるが、そんな事はお構い無しに硬い椅子に移る。

 「はい、お湯を掛けますよ~」

 声が聞こえると同時に身体にお湯が走る。最初は熱さを感じるが、だんだんと気持ちよくなり思わず、 ふ~ っとなる。

 しばらくするとテーブルに付いている自分に気付く。
 何をしていたんだろう。
 身体がポカポカし幸せな気分だ。
 

 ベッド上で天井を眺めている。
 何かが頭に浮かぶがはっきりしない。

 ガラガラと扉の開く音がし、

 「オムツを替えますよ」
 小さな声が聞こえる。

 ズボンを脱がされ、バリバリと音を感じ、右に左に向かされ、お尻にざらざらとした何かを感じる。

 何も考えない。ボーっとしていればすぐに終わることが何となくわかる。

 「終わりましたよ」 
 小さな声が聞こえ、ガラガラと扉の音を遠くに感じ、周りは暗闇につつまれる。

 そして、また天井を眺める。
    暗闇の中に何かが見えるが、それが何なのかは分からない。

 つづく